終活フェスタとは?

終活フェスタは、誰でも参加できる終活イベントで、東京では年に1回開催されています。主催は、一般社団法人 終活カウンセラー協会。入場無料で、予約無しで参加できます。

今年は12月16日(土)に、蒲田の大田区産業プラザPioにて「エバーグリーン 心の健康・体の健康」をテーマに開催され、同時に、事前に募集されていた終活川柳も披露されました。写真を中心にレポートした様子をお知らせします。

 

出展レポート

まず目を引いたのが、『證大寺』(しょうだいじ)というお寺のブースの「&」(あんど)という新しい形のお墓。四季の花が咲く庭園墓地に、二人で入るための、新しくできたお墓なのだそうです。

上部のふたを開けると、納骨とモニュメントが一体化しているのが分かります。スリムでデザイン性も未来的な雰囲気でした。

 

 

ガラスを取り入れたお墓もありました。

『光り墓』というそうです。ガラスは一点ものの手作りのため、台座の上をすべてガラスだと予算オーバーという場合は、墓石の一部にガラスを組み入れることもできるそうです。

 

華やかなスペースを作っていたのが『花葬儀』の出展。視界が明るく、多くの女性が、祭壇をバックに写真を撮っていました。

生花の髪飾りという発想も花葬儀らしいですね。

お棺に入ってもなお美しい姿でいたい・・女性とはそういうものかもしれません。

 

ドレスの出展は、『レスティング・グレイス』。

 

ウェディングドレスではなくて、エンディングドレスというものが今はあります。首回りのシワが気になる方は、こんなカバーもあるそうです。

葬儀・お墓については、どんどん新しい提案が出ていますので、生前に自己プロデュースをして、個性を出す時代に入ったようです。こういった事には、女性の方が前に向きなのではないでしょうか。

 

そして、今すぐにキレイになりたい人は、『かづきメイク』へ。

こちらのブースで初体験してみましたが、顔にテープを貼られたのには、びっくりしました。しかし、慣れてくると、ほどよい引っ張り感が気持ちの良いものでした。リハビリメイクと言って、外傷や疾病によって外観に損傷を負った方への社会復帰を目指したメイクですが、年齢とともに「補修」が必要な肌の状態になっていきますので、一般向けには元気の出るメイクとなるようです。

メイクをして下さった先生も、この肌の張りです。

 

志を感じたのが、生前整理・遺品整理のBlue Clean』。
本来、歯学博士で、ある歯学部の講師という肩書をお持ちなのがこちらの方。

口腔ケアの方面からシニアに触れ、片づけに困る方々への想いを形にされたそうです。語り口も優しい雰囲気で、その柔軟が表れていました。

 

トークイベント

俳優の賀集利樹さんを招いて、協会理事である賀集一弥氏と、兄弟で生死観を語るトークショーがありました。

16年前に父親を亡くされたとのことですが、利樹さんは当時仮面ライダーアギトの撮影真っ最中で、主役と言えども、役者としては新人で、死に目には会えず、葬儀にも出られなかったそうです。このため、撮影が終了するまでは、亡くなった実感がなかったとか。

一方、お兄さんの方は、毎日父親の病院に通っていたものの、男同士向き合えず、「今日でなくてもいいか」と時間になると帰宅し、結局、聞きたい事を聞けることなく、最期の日を迎えてしまったとのこと。

 

今まで、父親が亡くなった時の心境を、話したことがなかった兄弟。この経験があったからか、兄は終活カウンセラーとなり、弟は30歳になった時に、国学院大学で神道を学ぶことにつながったのかも、と、何らかの父親の死からの影響を感じていることを、お互い確認できたようでした。

 

もう一つ、パネルディスカッションには、女優の仁科亜季子さんが登壇。

僧侶・弁護士・協会代表理事らと共に、司会の大村正樹さんの進行で、それぞれ人生への想いを語って下さいました。

仁科さんは、2年前に4度目のがんにかかっています。手術の際に、遺書のようなものを書いたそうですが、無事に生還できて、それは破り捨ててしまったそうです。

 

仁科さんの今の座右の銘はPPK(ピンピンコロリ)。
普段大事にしていることは、『元気・陽気・やる気・強気・勇気』の5つの気を持つこと。そしてはっきりとした口調で、自分は幸せながん患者だと話されました。今は孫にメロメロな日々を過ごしているそうです。

 

ご本人にとっては、以前の体調とは違うのこともあるかと思いますが、それを全く感じさせないくらいお元気なご様子というのは、まっすぐ前を見て進もうとする気持ちが、今の仁科さんを支えているからだと思います。

 

そして最後に、「私は、ひらがなの『おんな』という字が好きです。」とも。「漢字の女は角ばっているし、カタカナのオンナは軽い感じがして、でもひらがなの『おんな』は柔らかな感じが好き。」ということで、女性としての魅力にも満ち、凛として発言をするお姿に、感動を覚えました。

 

終活川柳 その他

毎年フェスタで発表される川柳の展示も行われていました。

ベスト10の中から投票が行われていました。発表は後日です。

 

そして、抽選会が行われて、フェスタのお開きとなりました。

 

最後に

終活の分野ほど、過去の常識を破り続け、新しいアイデアが出てくる世界はないだろうと思います。古い伝統を尊重しつつ、今の時代に合ったやり方を、葬儀社も、お寺も、その他各種サービスも、模索し続けています。

その商品・サービスの開発に至る話を聞くだけでも、参加して良かったと、元気を貰うことのできるイベントです。

 

 

以上はパンフレットとは別に、個人的に、各出展へアンケートに協力をしたことによって配られた品です。帰りにはお荷物が増えることがありますので、参加希望の方は、最後に荷物をまとめられる袋などを持参すると、帰宅時は助かると思います。

 

シニア向けイベントということで、マッサージ機や休憩場所も十分に確保され、いつでも休むことができます。元気だからこそ、普段できない体験をしながら、楽しく参加ができるものです。50代・60代のうちから考えておきたい終活の入口として、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。