デジタル終活の意義

 

このブログもホームページも「物」としての存在ではなく、デジタルの世界にあるものなのですが、デジタルの終活も忘れては大変なことになります。

 

ブログ・ホームページなどは、亡くなったあと、長いこと管理されていない状態が続くと、故人サイトとして乗っ取られ、犯罪に利用されることがあるそうです。

 

フェイスブックを利用されている方も多いと思いますが、自分が亡くなったあと、どうして欲しいのかを、家族に伝えていますか。放置をしたままだと、誕生日にお祝いメッセージが入ったり、好ましくない状況になってしまいます。知らずにメッセージを送った側も、後で知ったらショックを受けるのは当然です。

 

そしてビジネス関係ですが、顧客情報、個人情報の流出が心配です。会社の場合は会社が引き継げば良いことですが、自営業や中小企業の社長、フリーランスの場合、個人が仕事でパソコン・スマホを使い、亡くなった後には家族に残されるわけですから、データへの慎重な対応が必要となってきます。

 

それには事前の準備が欠かせないわけで、後継者への引継ぎ、あるいは廃業の場合の処分など、家族や信頼する人へ、依頼をしておかなければなりません。

 

デジタル終活の方法

 

まずは家族の元にパソコン・スマホが残りますが、デジタルの処理を伝えようにも、家族はデジタルに詳しくない、という場合も多いと思います。そのときは、あらかじめ詳しい人に依頼をし、その人の所へ持っていって頼むよう、記録に残しておくといいそうです。

 

その際、不正アクセス行為とならないために、エンディングノートに本人の承諾を行っておくと良いとのこと。不正アクセスというのは、他人のID、パスワードを使用して、ネットワークにログインすることです。承認があれば、不正アクセス行為にはなりません。

 

まず一番最初に行うのはデジタル遺品になるもの全てをたな卸しすること。その後分類していきます。

〇残したいもの   レベル=・「絶対」 ・「できれば」

〇隠したいもの   レベル=・「絶対」 ・「できれば」

 

大まかな流れとしては、残したいものを先に取り出したうえで、絶対に見られたくないものを処分する形になります。

 

デジタルにもエンディングノートは頼りになる存在です。

 

アマゾン定期便、ネット証券、FX取引など、家族が何も情報を持っていないと、対応の遅れで、迷惑がかかる危険性があります。

 

デジタル終活を学べるところ

 

デジタル終活については、セミナーで学ぶことが出来ます。ここでは終活の必要性をお伝えしましたが、具体的な対処法を知りたい方は、日本デジタル終活協会にお問合せ下さい。

 

記事の情報についても、協会代表理事で、弁護士・公認会計士の伊勢田篤史先生に伺いました。実際に起きた事例から、気をつけたい大事なポイントを、セミナーに参加して学ぶことが出来ます。

 

協会のホームページの冒頭には、「あなたは、パソコン・スマホを遺して死ねますか?」という問いかけが書かれています。ハッとする人が多いのではないでしょうか。

 

日本デジタル終活協会

   ⇒http://digital-shukatsu.net/

 

 

セミナーには「デジタル世代の引継ぎノート」が付いています。

 

最後に

 

「シークレット」的なファイルは、見つかると必ず開けられてしまうそうで、配偶者以外との不適切な関係が明らかになり、亡くなってから家族を傷つけてしくこともあるそうです。最後に裏切者として、家族からの信頼を失ってしまうのは、本人にとっても家族にとっても悲劇ですね。

 

「終活」というのは、どこか後期高齢者を連想させますが、「デジタル」というキーワードが出てきた時、それは若者にも身近に感じて貰えるものです。誰もがプライベートな領域を持っていますし、できれば見て欲しくないものも存在するでしょう。

 

年齢に関係なく、自分はどのくらいの情報量を持っていて、何かあった時には、どれだけ人に迷惑がかかるのか、人としての尊厳を守れるのか、そんな事に気づかせてくれるのも、デジタルのたな卸しではないかと思います。