デンマークのヘンリク殿下(83)が、妻のマルグレーテ女王(77)の隣に埋葬されたくない考えであるとのニュースが報道されました。デンマーク王室が3日、明らかにしました。【AFP時事より】

 

本来でしたら、夫妻の死後は、コペンハーゲンの大聖堂で隣り合って埋葬される予定だという。ところが、ヘンリク殿下が『女王の隣には埋葬して欲しくない』と宣言。

 

なぜそんな宣言をしたかというと、ヘンリック殿下の、称号や公務の役割に対する不満が原因。女王と対等に扱われない事への不満を、たびたび訴えていたとのこと。

 

殿下は元々フランスの生まれで、女王が王太子時代に英国で出会い、結婚に際しては、改宗したり名前をデンマーク風に変えてデンマーク人になったそうです。

 

今回ポイントとなるのは、『王配』という言葉。ご存知でしたか。女王の夫を表す言葉であること、初めて知りました。1972年の女王即位依頼、『王配殿下』(Prince Consort)と呼ばれるようになったものの、本人は『王』と呼ばれたいと口にしていたそうです。近年、不満が一段と高まり、昨年公務から引退し、現在は王室行事にもほとんど参加していないという。

 

そして・・長年ずっと女王と対等でなかったのに、死後に対等に扱われたくない、という意向になったという次第。

 

『女王の夫』。
傍から見えても、女王とはまた別の難しさを背負っている立場だと察することができます。半世紀もの間、公務や立場に不満を持ち続けたのですから、埋葬の形をもって、いま気持ちの整理をつけている、ということだと感じました。
マルグレーテ女王も殿下の意向を受け入れたと、王室広報担当により伝えられています。今殿下は個人所有するフランスのブドウ園で過ごしているそうで、80代からでも、自分らしい人生を送ると決めたということなのだと思います。

 

終活という言葉は日本で生まれましたが、ヘンリク殿下の選択は、まさに終活なのだと思います。

 

日本でも、天皇陛下が昨年8月8日、生前退位のご意向をビデオメッセージにて示されました。

 

この様な難しいお立場であっても、代々続く慣例を破り、自分らしくあることに挑戦されている姿を知り、終活が与える勇気の大きさを感じます。

 

一般人には一般人のハードルが現れますが、それを越えた先に、自分色の人生が広がっているのだと思います。