とても印象に記憶に残っているアマゾンの「お坊さん便」の出品。2015年のことでした。そして開始直後より、仏教会との摩擦が表面化していました。

 

 

私たち一般人でさえ、アマゾンでの表現・言葉はそぐわない印象があり、仏教会が宗教上の理由で、受容できないのは当然だったかもしれません。

 

しかし一方で、現実問題として利用者側にとっては、選択肢が増え、お布施額が見える化され、仏事の大きな悩みの解消につながりました。その点が時代のニーズに合い、受け入れられたのではないでしょうか。

 

またお坊さんにとっても、檀家離れが進む中、派遣登録にこれからの活路を見出していたように感じていました。

 

仏教会との微妙な関係はいつまで続くのかと思っていましたが、派遣の僧侶の質など問題化したり、「手配を行う引換券」の誤解など、アマゾンに出品していた株式会社よりそう側が、この度自ら変更を決めました。仏教会へ距離を縮めた形で、アマゾン出品を終了すると発表し、また支払い方法についても改められたようです。

 

『おきもち後払い』という新たな決算方法を導入し、お布施の精神を活かした形をとり、これを通し、僧侶の質の向上も図るようです。

 

利用者側から俯瞰すれば、菩提寺のない者にとって、葬儀社に依頼をすれば、全く知らないお坊さんが来るわけで、これも「提携」「派遣」と何も変わらない感覚があります。質の方は気になりますが、僧侶への依頼は違和感を感じないものです。

 

葬儀・仏事は近年、家族・地域のつながりが変化し、従来の形では成り立たないケースもあり、様々な変化を生み出してきました。

 

ただ、仏教の本質を曲げてしまったと勘違いさせるようなシステムには、改善が必要だったということですね。

 

派遣そのものは、今の社会では定着しています。アマゾン出品はなくとも、お坊さんの派遣は続きます。