にぎやかな商店街の中にひっそりと

場所は、昭和の情緒の残る高円寺の純情商店街の中。

 

道なりに進んで、角を2度ほど曲がったでしょうか、通り過ぎてしまうほどの路地に目をやると、奥に小さな看板が。

 

 

尼僧バーは2階にありました。ちょうどドアを開けようとすると、4人連れの若者が出てきて、すれ違いで入店すると、客は私たちだけ。

 

 

周りを見回し、しばし沈黙が続き、なぜか話す声も小声になってしまう空間。

拝観料(チャージ)は1000円。

初めての尼僧バーは緊張で始まりました。

 

尼さんがお酒を作ってくれます

カクテルには『愛染明王』『大日如来』など、仏教にちなんだ名前が付いています。

 

 

尼さんに目の前でカクテルを作って貰うことなどありません。せっかくなので、『沙羅双樹』というカクテルを注文してみました。

 

カクテルを作る音もシャカシャカ=釈迦釈迦、でしたが、慣れない雰囲気でこんなダジャレは言い出せず。

 

お坊さんのバーの発祥は大阪

このカクテルの力を借りて、何とか尼さんと話し始めました。この尼僧バー、以前よりその存在は知っていましたが、ホームページを見ても、何だか入りずらそうで寄り付けず、お供を連れてやっと訪れたことを告げてみました。

 

すると尼さん曰く、気になっていながら、とてもシラフでは入れず、他のお店のアルコールでだいぶ出来上がってから、入店するお客様もいらっしゃるとか。入りずらいのは、ご承知でした。

 

「どうして知ったんですか?」と聞かれたので、以前坊主バーに行ったことや、数年前に寺カフェに行って知ったことを告げると、坊主バーの発祥は、元々関西だったとを教えてくれました。

 

お坊さんたちの野望

坊主・尼僧バーの経営は、全部別々とのこと。ですがどの店主も、賛同したお坊さんによって、全国の都道府県にバーが展開していくことを、願っているそうです。お坊さんの野望とは、全国展開なのです。

 

もちろん、坊主・尼僧バーを快く思わない僧侶もいるわけで、だからこそ、志を持って続けている、ということになります。

 

特に尼さんは、子どものお稽古事のお迎えや食事のことなど、子育て中の身としては夜の仕事は厳しく、私たち一般人と同じであることを知りました。「家族との縁が一番深いですからね」、ということで、お休み中の尼僧さんもいるそうです。

 

まだ全国でも数軒しかない坊主バー・尼僧バーを増やしていくのは、簡単なことではなさそうですが、お坊さんの方から、私たちに近づいてくれる方法の一つだということは、間違いありません。

 

各都道府県にバーが誕生したら、ぜひ専用の御朱印帳を作って、数店舗ごとに特典を貰えるようなシステムを作って欲しいと要望しておきました。全国制覇の暁には、豪華特典も付けて欲しいですね。

 

一店舗各宗派一人制

面白かったのが、一店舗に居るお坊さんたちは、全部宗派が違うお坊さんを集めていること。宗派を超えての情報交換をしているとか。

 

ビジネスの世界で言えば、一業種一人のみの異業種交流会がありますが、それと同じではないですか!仏教は、ありとあらゆるものを受け入れているので、宗派が違う僧侶の集う場にしているそうです。

 

仏教だけでなく、店内にはマリア像も。これも仏教の懐の広さを表してのインテリアだそうです。

 

 

だいぶ場に慣れてきた所で、2杯目は焼酎『空海』を水割りで。

店内の写真はどうぞ、とOKだったのですが、尼さんの顔出しは、少し恥ずかしそうに「NGで」とのことで、手元のみでした。

 

場所はカウンター対応になるので、周囲に話が聞こえていいのであれば、人生相談にも乗って下さるそうです。ちなみに四谷の坊主バーは、事前に問い合わせれば、相談室の準備もあるとのこと。ただし、あまりにも専門性が高い内容については、各専門家の所へ行って下さい、とお返事をしているそうです。

 

最後に

ホームページを見ても、よく分からなかった席の全貌がこちら。

 

 

最初はどうなることかと思った尼僧バー。

 

 

隠れ家的な雰囲気で、静かに飲みたい人、尼僧さんと話をしてみたい人は、一度行ってみてはいかがでしょうか。