エンディング産業展 2017
終活が大きなビジネスになる時代を迎えています。東京ビッグサイトで、エンディング産業展が開催されました。個人でも参加できますが、葬儀・埋葬・供養に関する商品やサービスの専門展で、どちらかと言えば法人同士が結びつくための場となっています。
8月23日~25日の3日間に渡り開催されました。訪れたのは最終日。レポートできるのはほんの一部ですが、ご紹介してみます。
広い会場を生かした出展
会場に入るといきなり数台の車が並んでいました。
そして豪華な生花の祭壇。
石のキティちゃんのオブジェも。
会場が大きいので、宇宙葬のバルーンが小さく見えます。
もちろん小さな商品もあります。
こちらは、亡くなった方の髪の毛・爪・衣服などから作るダイヤ。来年1月に始まるサービスで、代理店を求めて出展されたそうです。
ちなみにこのダイヤで35万円。これをネックレスや指輪にするので、それにプラスアルファの金額が必要となるとのこと。
この商品、生前でも作れるものなので、いずれは生まれてきた赤ちゃんの最初に切った髪で作る記念品なども提案していきたいそうです。それを成人のお祝いとしてプレゼントされたら、確かに嬉しいかもしれません。
さて、こちらは小さな“おりん”。仏壇で手を合わせる時にチーンと鳴らす、あの“おりん”です。
手前にあるのは棒と一体化していて、小ぶりでとてもスタイリッシュです。マンションのリビングにも違和感なく置けるデザインです。音色は上品で癒される音色でした。
さて、「一行書いてみませんか。」と声をかけられ、写経を初めて体験したのですが、何のアピールかと言えば・・、
写経のペンが商品でした。
「万年筆」ではなく「万年毛筆」というペンで、乾くと水に濡れても滲まないのだそう。書きやすいですし、実用的です。思いがけずこうした体験が出来るのも、イベントだからですね。写経で使ったペンはプレゼントだそうで、持ち帰ることが出来ました。書状のあて名書きに使おうと思います。
終活情報に関しては、『終活カフェ』のブースを訪れました。既に準備した最新号は全て無料配布が終了。残っていたバックナンバーの1冊を渡して下さいました。内容は常にその時のニーズに応えるものを取り上げ、終活の捉え方自体も変わりつつあるため、来年はシニアライフを楽しむ、といったテーマを取り上げる予定だそうです。
そして以前にも取り上げた、現役大学生が運営する終活サイト『終活ねっと』も出展していました。
何と言っても若い世代が得意なのはネットでの情報収集・情報発信です。そうした面でこの世代が終活に取り組んでくれるのは、これからシニアに突入する50代にとって頼もしいことです。写真の3人の社員は10代と20代。このイベントでの出展者では最年少だったのでは。学業と仕事の両立、頑張って欲しいと思います。謙虚な姿も印象的でした。
そしてこれも情報サービスと言えるのではないでしょうか。『ファミリーヒストリー記録社』。祖先を調べ、ルーツを知ることが出来るというもの。
家系図を作りたい人や、家の歴史を本にしたい人など、まさにテレビ番組にある『ファミリーヒストリー』のブック版といったもの。
パンフレットによると、家系図は80,000円~、書籍は200,000円~、とそれなりの価格ですが、担当の方曰く「現金はあの世に持っていけませんから」。なので次の世代へのプレゼントになる、と言われると、うなづいてしまいました。また書籍は3段階あり、最上のプランは、800,000円~で、ちょっとした節税効果につながるかもしれません。
ペット向けサービスも充実。様々な供養の形やペット用品が並び、会場内で、一番可愛らしい雰囲気がペットのコーナーでした。
お坊さんの姿もありました。築地本願寺のお坊さんたちがアンケートを実施していて、協力してきました。質問のテーマは、お寺やお坊さんについて。表裏両面の長めのアンケートでしたが、お坊さんやお寺の在り方を模索しているようでした。お茶を振舞って下さり、提出時には記念の品のしおりをいただきました。
そして注目を集めていたのは、IT葬儀の袈裟を着た『ペッパー導師』。
ちょうど導師が読経をする姿を見ることが出来ました。
読経中、胸の画面には、お経が表示されます。声は低い声でした。
檀家制度にとらわれず、各宗派の読経が出来るというペッパー導師。
新しい葬儀の形については色々と意見があると思いますが、ここでは画像の紹介のみとしておきます。
ペッパー君を初めて見た時、誰が葬儀の場に登場すると予測したでしょうか。しかも袈裟姿で・・。
この他、紹介しきれない数多くの出展があり、1日で回った中でも、数を絞って紹介させていただきました。
最後に
とにかく圧倒されたのは規模の大きさ、そして驚くのは、古くからの慣例を破り続けていること。今、一番変革が進んでいるのはエンディングの世界かもしれません。
そして炭素を抽出して作るオリジナルのダイヤや、ロボットを使った読経・説法など、科学技術の進化が、大きな変化や影響を及ぼすことを実感しました。
多様なニーズに応えようとする企業の努力を感じたエンディング産業展でした。常に新しい提案が行われていますが、支持されるもの、消えていくもの、それを決めるのは私たちです。