30年間にたったの3回。

 

これ、何かと言うと、関東在住のA氏が、セカンドハウスを利用した回数なんです。とても勿体ないと思いませんか。

 

セカンドハウスを持つ理由はそれぞれです。それを持つことで、生活がより機能的になることはあると思います。

 

例えば、仕事の関係で度々東京に来るため、都内にセカンドハウスを持つなど、仕事目的の場合。その都度、宿泊予約の必要がなく、急な上京にも困りません。また、大好きな趣味のためにマンションの1室を持つ人も居います。

 

最初にご紹介したA氏は、イベントで勧誘を受け「何となく田舎暮らしに憧れて・・」というのがきっかけで購入したとのこと。30年前と言えば、世の中浮かれていたバブル期に当たります。

 

そのセカンドハウスは以下の通り。

☆自宅からは数百キロ離れた地方にあり、購入当時は新幹線が通っていなかった
☆現在は新幹線の利用可能、駅からの交通手段はタクシーで30分以上かかる
☆元々は農家の家屋で、住む人が居なくなり売りに出されていた
☆購入当時、水は井戸水を使用、現在は水道に変えることが出来る
☆現在全く管理がされていない状況

 


※資料写真で記事内容とは関係ありません

 

当時から妻は反対だったようで、今でもこれに関しては怒っているとのこと。

自分の稼いだ金を、どう使おうが勝手だ、という考え方もありますが、家庭生活の中には、家族の同意が必要な事柄があります。ペットを飼う事もそうですし、「家族での休日の過ごし方」というのもそれに当たります。

 

自分の意見を押し通したところで、妻が、家族が希望していない別荘通いは、実現しませんでした。そして現在、下草は伸び放題で、元々が古い農家の住居なので、建物もかなり傷んでしまっています。事実上の空き家で、動物の住処になりそうな状況です。近隣住民にとっては迷惑ということで、役所に働きかけが始まっています。
イベントで営業され、いい事をたくさん聞いてしまうと、気持ちが向くのは分かりますが、望む生活は実現的に可能かどうか、ぜひ想像力を働かせてみ下さい。

 

時に、夫婦の対立に勝つことが目的になってしまうと、本来の考えるべき正しい判断が鈍ってしまうことがあるので、要注意です。ということで、今ではA氏本人も後悔をしている状況です。

 

「田舎暮らし」ということでは、セカンドハウスではなく、自宅を売って田舎に移り住む場合もあります。完全な住み替えですね。これは衝動的に進めてしまうと、後戻りできない状況になりますので、デメリット部分にもきちんと向き合い、果たしてその暮らしが想定通りに機能するかどうか、冷静に判断していきたいものです。

 

最後に、現在70代のA氏に今から出来ることと言えば、この厄介な不動産をこのまま放置しないことです。地域住民の不安な気持ちを汲み、何らかの取り組みをする、あるいは売却などを検討しなければ、一番嫌がっていた妻に、そこの権利を受け継ぐ相続人として、将来その役割が行ってしまうかもしれません。